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中耳炎とは?

中耳炎とは、鼓膜付近の「中耳」で炎症が起こる病気です。中耳炎のほとんどは細菌やウィルスによって発症する急性中耳炎で、米国では年間500万人以上の子供達が発症し、日本でも3歳までに7割の子供が発症するというデータがあるほど国内外を問わず子供に多い病気です。急性中耳炎は命にかかわるような病気ではありませんが、適切な治療とケアを行わないと再発を繰り返す反復性中耳炎になったり、慢性中耳炎や滲出性中耳炎に移行することもあり注意が必要です。

耳の構造

また、中耳炎は大きく3つに分けることができます。鼻水などが耳へ流れて炎症を起こす急性中耳炎と、鼓膜の奥の中耳腔(鼓室)に浸出液という液体が溜まる滲出性中耳炎、そして鼓膜に穴が開いたままになる慢性中耳炎です。それらの原因と症状を知り、早期治癒と予防を心がけましょう。

 
 

中耳炎の種類

耳のイメージ

急性中耳炎
細菌やウィルスが中耳に入って炎症がおこる病気です。子供に多く、通常数日~10日程度で治りますが、長引いて何度も急性中耳炎を繰り返す「反復性中耳炎」になることもあります。
急性中耳炎の主な症状は、鼓膜が赤く腫れあがり、発熱を伴う激しい耳の痛みを引き起こすのが特徴です。炎症により生じた内部の膿みが、鼓膜をやぶって外に流れ出る「耳だれ」も起こります。耳だれが出ると痛みや発熱が軽減したり、軽快することが多いですか、ここまで放置してしまうと慢性化してしまう恐れがありますので、早めの治療が必要となってきます。

 

滲出性中耳炎
鼓膜の奥の中耳腔(鼓室)に、滲出液といわれる液体がたまる病気です。中耳の粘膜の炎症と耳管の機能低下があると、滲出液が中耳腔にたまるようになります。軽症の場合は1ヵ月程度、場合によっては完治まで数年かかることもあります。滲出性中耳炎の症状は、軽度の難聴があるものの、耳に強い痛みや発熱などを伴わないのが特徴です。一般に滲出性中耳炎の症状は軽微な場合が多いため、子供は何も訴えないことが多いです。ですので、聞き返しが多くなった、呼びかけても聞こえが悪くすぐに振り向かないなどの様子が見られたら、滲出性中耳炎を疑う必要があります。

 
耳のイメージ

慢性中耳炎
慢性中耳炎には2つの種類があり、急性中耳炎が治らずに鼓膜に穴が開いたままになり、耳だれ(耳漏)が頻繁にでる「慢性単純性中耳炎」と 周囲の骨をこわして進行し三半規管〈さんはんきかん〉まで壊して顔面神経マヒを引き起こすこともある「真珠腫性中耳炎」があります。
慢性中耳炎では、鼓膜に穴が開いているため、お風呂やプールなどで汚い水が耳に入ったり、風邪を引いたりすると耳管を通り細菌が中耳に進入するなどして、炎症を起こします。慢性中耳炎は、鼓膜にあいた穴が長期的に続き、ときどき耳だれがでる状態です。付随する現象としては難聴や耳鳴り、めまいなどが出来ますが、特別な痛みや発熱はないという特徴があります。