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慢性中耳炎

慢性中耳炎

慢性中耳炎には2つの種類があり、慢性単純性中耳炎と呼ばれ、急性中耳炎が治らずに、鼓膜に穴が開いたままになって耳だれ(耳漏)が頻繁にでるものと、真珠腫性中耳炎と呼ばれ、周囲の骨をこわして進行し三半規管〈さんはんきかん〉まで壊して顔面神経マヒを引き起こすものがあります。

 

●慢性単純性中耳炎
急性中耳炎から移行する場合が多い病気です。特に鼻や咽頭に薬物耐性の強い慢性的な炎症があるときに移行しやすくなります。人間の耳には、鼓膜に穴が開いて中耳内部に溜まった膿を自然排出して炎症を治そうとする本来的な働きがあります。膿が出てしまうと炎症も治まり、このとき開いた孔は自然に閉じます。しかし、急性中耳炎を繰り返し発症したり、治療が不十分だと中耳内部の炎症も継続的に起こり、開いた穴も閉じなくなります。この状態が慢性単純性中耳炎です。

 

●真珠腫性中耳炎
真珠腫性中耳炎は、鼓膜の一部が内側に陥没しておきる中耳炎です。 鼓膜の表面は外耳道の皮膚と連続していますので、角化物(垢)が出て、陥没した内側に溜まりやすくなり、細菌やウィルスの培地となって感染、炎症がおこります。悪臭を放つだけでなく、この炎症が周囲の骨を破壊しながら増大して難聴になったり、三半規管(平衡感覚をつかさどる器官)を破壊してめまいを起こすようになることがあります。また、中耳には、顔面神経が走行していますので、真珠腫によって顔が曲がってしまうこともあり注意が必要です。
この治療法としては、手術による摘出が一般的です。