喘息の症状
発作が起きていない時は、目立った症状が見られないことがありますが、発作時に下記のような症状が表れるのが一般的です。
- 呼吸時にゼーゼーやヒューヒューなどの喘鳴がある
- 咳が長引く
- 咳・たん
- 呼吸困難
- 胸がきつく感じる
小児喘息の発作の程度は、大発作、中発作、小発作の3段階に分けられますが、どの段階なのかわかりにくい事があります。そのため、どの程度の発作を起こしているかを判断するのに、最大呼気流量(※)を測定することができる「ピークフローメーター」という医療機器が役立ちます。
※最大呼気流量
大きく息を吸い込い込んで力いっぱい息を吐き出す速度(強さ)
小発作 | 中発作 | 大発作 | |
呼吸状態 | 日常生活に問題はないが、軽い喘鳴がある。 少し陥没呼吸が見られる |
喘鳴が強いとき、弱いときがある 陥没呼吸がはっきりと見られる 呼吸困難を訴える |
喘鳴が強い 呼吸困難が非常に強い 横になれない チアノーゼが見られる |
遊び | 普通に遊べる | 動作がゆっくりになり、少ししか遊ばない | 動くと苦しいので遊べない |
会話 | 普通に会話できる | 会話がゆっくりになる | 話しかけても返事ができない |
食事 | 普通に食事できる | 少し食べにくく、量が減少する | ほとんど食べられない |
※発作の程度は全て項目が揃うとは限りません。
また、発作の程度を知ると同時に、喘息の重症度を知ることも大切です。発作の程度は、今起こっている喘息の発作がどのレベルかを評価するものですが、重症度は、発作の頻度とレベル(ある期間内にどの程度の発作が何回起こったか)によって判断します。
喘息の発作について
喘息の発作は、咳や呼吸困難が起こり、酷い場合には夜も眠れず食事も摂れなくなるなどしてQOLを著しく低下させる苦しいものです。発作のメカニズムを学び、同時に日常生活で吸入薬を使用したり、アレルゲンを取り除くなどして発作が起こらないようにコントロールしましょう。
また、発作が起こった時、家庭でどの程度まで対応できるかは、ネブライザーの有無や家族の対処の仕方によっても異なります。ネブライザーがある場合は、30分おきに2回吸入し、それでも発作がおさまらない場合は病院に行ってください。
(2回吸入するのは病院で治療を受けるべきかどうかを判断するためです)
●なるほど!小児喘息
夜に発作が起こりやすいのは何故?
小児喘息を持つ子供は、夜に症状が悪化しやすいと言われています。それは、布団などで体が温まりリラックスすることで副交感神経が働いている状態になるためです。副交感神経がよく働いている状態は、気管支が収縮するため喘息の症状が出る確率が上がります。また、ホコリやダニが原因で布団が不衛生にある場合には、ホコリやダニの死骸などを吸い込んでしまう危険性もありますので、更に発作を起こしやすい状況になります。
- もし、次のような症状があればすぐに病院で受診しましょう。
- 横になれない(起座呼吸)
- 咳き込みが激しい、あるいは吐く
- 酸素不足で顔色が青白くなる
- 頭痛、吐き気を訴える
- 喘鳴がかなり強い
- 話が十分にできない
- 強い呼吸困難で苦しがっているのに喘鳴が小さい。(かなり重症のサイン)