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喘息の診断

喘息の診断においては、肺機能、アレルギー、気道の炎症の状態などに関する検査の他、症状や生活環境などについての問診を行います。喘息と似た症状を示すほかの病気と判別するためにも検査は必要で、それらの結果を総合的に判断します。

 

問診

診察をしてもらう前に下記のことを整理しておきましょう。
 

●症状
いつ頃から症状が出るようになったか、また、発作の程度や頻度

 

●家族・生活環境
両親や兄弟にアレルギー疾患を持つ人がいるか
家族に喫煙者がいるか、ペットを飼っているか

 

●既往歴
アトピー性皮膚炎、アレルギー性鼻炎、食物アレルギー、じんましんなど

※家族にアレルギー疾患を持つ人がいる場合や、子ども自身にアトピー性皮膚炎や食物性アレルギーがある場合は、喘息を発症する可能性が高くなります。

 
 

検査

●呼吸機能検査
気管支を通る空気の通過状況を診るものです。スパイロメーターを使って、肺の働きや気管支の細くなっている部分をみる詳細な方法と、家庭でピークフローメーターを用いて患者さん自身が測定し、1日の変動をみる方法があります。なお、スパイロメーターを使用した検査は、気道閉塞を検査する場合の他、治療効果を確認する場合にも使用されます。

 

●気道過敏性試験
気道過敏性試験は、気道の過敏性や重症度を調べるためのものです。薬物を吸入させ、わざと喘息発作を起こさせ、気道平滑筋の収縮反応を見ます。また、喘息専門の施設に限られますが、症状がなくなっても本当に喘息がよくなっているかの判断に役立ちます。

 

●皮膚テスト
皮膚を傷つけて、原因と思われるアレルゲンをつけて反応を見たり、
複数のアレルゲンエキスを皮膚に少量注射してその反応を見て原因を判断します。

 

●血液検査
どのアレルゲンに対してアレルギー反応が起こりやすいかを確認するテストです。
RAST法とMAST法があり、どちらの検査も採血した血液とアレルゲンを反応させて、
アレルゲンに対する抗体(特異的IgE抗体)が検出されるかどうかを診ます。
RAST法という血液検査では、6段階でアレルギー反応の強さを見ます。
MAST法では、一回に26種類ものアレルギーについての検査ができます。

 

●痰の検査
痰の中に増加する好酸球や気管支上皮細胞を調べることで、気道炎症の程度を検査します。

 

●胸部X線検査
喘息と同じような症状をもつ他の病気かどうかを判断するためのものです。肺炎などの合併症を知るためにも役立ちます。

 

●心電図検査
心臓ぜん息や肺性心といった他の病気との判別に必要です。