copd


進行の防止とメンタルケア

進行の防止のために

●治療を続けよう

COPDと診断されたら、その時点で残っている肺機能をそれ以下に低下させないことが大切です。すでに治療を始めている人は、医師の処方する通りに確実に治療を行ってください。
特に禁煙はCOPDの治療において絶対的な条件で、合併症を予防し病気の進行を遅らせる重要な手段となります。また、栄養バランスを考えた食事をとる、適度な運動をするなどなどといった進行の防止の手段にもなります。

 
ピークフローメーター●ピークフローメーターで自己管理をしましょう。
自分の呼吸管理をすることは、症状の進行や急性増悪を防止するためにも大変重要です。呼吸困難に陥る際には、まず、息を吐きにくくなるという症状が出ますので、呼気が弱まっていないかを知ることで早く対処することができます。ピークフローメーターで、管理をしましょう。

 
●ワクチンを接種する

インフルエンザと肺炎はCOPD患者の急性増悪の最大の原因となっています。
2009年の新型インフルエンザウイルスの流行時には、ハイリスク疾患の第1位にCOPDが挙げられ、死亡者の中にはCOPD患者も多く存在しました。また、肺炎球菌はCOPD患者の急性増悪の主な原因菌であることがわかっています。急性増悪の予防として、インフルエンザワクチンと肺炎球菌ワクチンの接種が非常に重要となってきます。インフルエンザワクチンに関しては、増悪によるCOPD死亡率を50%も低下させることが報告されています。

 
 

メンタルケアのために

COPD患者の約2割にうつ病の傾向がみられるという報告があるほど、病状とメンタル面は深く関係してます。特にCOPDの場合、進行性の病気で完治しないなどということからストレス状態に陥ってしまい、悲観的になり治療への意欲が下がりがちになってしまいます。
治療への意欲が下がると、食事をとらなくなったり、運動をしなくなったり、喫煙を再開してしまったりし、その結果、症状が更に悪化してしまうという悪循環に陥ってしまいます。
そして、「どうせ完治しない」などという思考の悪循環にも陥り、うつ病などにつながることも少なくありません。症状をコントロールするためには、自分のストレス状態、ストレス要因、ストレスへの対処法など、メンタルケアも頭に入れておく必要があります。

 
●ストレスへの対処法

  • 心理的な負担を家族や友人に聞いてもらう
  • 不安やこころの状態に変化があれば、主治医に早めに相談する
  • 自分の状態、体力にあった適度な運動をする
  • 疲れを感じたら、ゆっくり休んで体をリラックスさせる
  • ぐっすりと眠れる環境をつくり、快適な睡眠をとる

もし、一人で治療を続けている人は、ぜひ呼吸リハビリテーションを行っている施設を訪ねてみてください。同じ悩みを持ったCOPD患者が、治療に励んでいる姿を目にすることでしょう。そして、悩みを語り合いアドバイスを受けることによって解決の方法が見つかり気持ちも前向きになるはずです。また、周囲にCOPD患者がいたらこころの不調にできるだけ早く気付いて、話を聞いてあげるなど、サポートをしてあげることもとても重要です。

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