copd


生活スタイルを見直す

タバコをやめましょう

禁煙をすることは、COPDの治療において絶対的な条件となります。禁煙をすることによってCOPDの症状がある程度改善する場合もあります。

 
coffee

禁煙を成功させるためには、まず動機付けが大切です。喫煙することがどれだけ自分の体に悪影響を及ぼしているか、このまま続けていたらどうなるのかを考えることが大切です。
それから、目のつきやすい場所にたばこやライター、灰皿などといった物を置かないようにしたり、アルコール類やコーヒーなどの刺激物も喫煙の欲求に繋がるのでやめるようにしましょう。また、一人で禁煙のすることができない人は家族や友人、職場の人などに協力をしてもらいましょう。

 
禁煙

禁煙ができない最大の原因は、ニコチン依存です。ニコチン依存になると血液中に一定のニコチンがないと不安・イライラなどの禁断症状があらわれるためなかなか禁煙が続きません。
ですが最近では、たばこ以外からニコチンを体内に補給し、少しずつ量を減らしてニコチンのない状態に体を慣らしていくニコチン代替療法(ニコチンパッチやニコチンガム)もあります。ニコチンパッチは医師の処方箋が必要ですが、ニコチンガムは薬局やドラッグストラなどで販売されています。

 
 

食事をしっかりとりましょう

COPD患者は、息切れや疲労のため活動する機会が減り、食欲も低下しがちになります。その結果、十分な栄養とカロリーを摂取することができず、体力や免疫力が低下し、症状を悪化させ、感染等のリスクを高めてしまう可能性もあります。食事は健康的な生活を送るための基本です。しっかり食べて十分な栄養を取りましょう。もし、苦しくて一度にたくさん食べられないときは、食事回数を1日に5~6回に増やすなどして工夫をして食事をとってください。

野菜

    ●バランスのよい食事の目安

  • 主食として、白米、パン、麺類ばかりではなく、雑穀パンや玄米なども取り入れましょう。
  • 主菜は、加工品、揚げ物、脂身の多いものを控え、魚や赤身の肉などを取り入れましょう。
  • 野菜やイモ類、豆製品を積極的に取り入れましょう。
  • 毎日、1~2回は果物を食べましょう。
  • 乳製品も取り入れましょう。乳製品をとらない人はサプリメントの服用も検討しましょう。

 

●栄養アドバイス
・やせ気味の人
合併症や感染症に負けない体力と筋力を維持するためには、健康な人以上に十分なエネルギーと筋力をつくるたんぱく質、ミネラル、ビタミンを毎日の食事でとりましょう。

・太り気味の人
医師などと相談し、食事制限と適度な運動で体重を減らす必要があります。
入浴前は必ず体重をはかる習慣をつけましょう。

 
 

適度な運動を続けましょう

適度な運動

COPD患者は息切れの症状のために、体を動かすのが億劫になりがちです。運動をしない状態が続いてしまうと、使わない筋力が低下し寝たきりの状態になったり、呼吸筋が弱まり息切れが激しくなるという悪循環に陥ってしまいます。

このような状態にならない為にも、日ごろから体を動かす習慣をつけ、体力や筋力の低下を防ぐ努力をしましょう。有酸素運動の水泳・ジョギング・ウォーキングなどが有効で、無理のないように、継続的に行うことが大切です。また、呼吸法や楽な体の動かし方を学んでおくと日ごろから生活しやすくなります。
※運動の際には、パルスオキシメーターで血中酸素飽和度を測定し、過度に負荷をかけることのないよう注意しましょう。また、水泳を行うのであれば、防水タイプが良いでしょう。

 
 

呼吸法

息切れを楽にする呼吸法は、肺の動きを最大限に生かし効率的に呼吸することが必要です。

 
●口すぼめ呼吸法

口すぼめ呼吸法とは、口をすぼめて息をはくときに抵抗を与える方法です。
この方法は、気道の内圧を高めることで気管支を広げ、肺にたまっている空気を出しやすくします。

 
【方法】
 

口すぼめ呼吸法2 口すぼめ呼吸法3
軽く口を閉じて、鼻から息を吸う。 口をすぼめた状態で、口から息を吐く。吐くときはお腹の筋肉を縮める。 口もとから30センチほど離した手のひらに向かって息を吐く。息が手のひらに感じるように。

 
●腹式呼吸法
 

腹式呼吸法は横隔膜を使って、効率よく呼吸する方法です。
息を吸うときにお腹をふくらますようにすることで横隔膜の動きが助けられ、呼吸が楽になります。最初は横隔膜に負担がかからないよう、あお向けに寝た状態で練習していき、マスターしたら座って行いましょう。

 
【方法】
 

複式呼吸法1 複式呼吸法2 複式呼吸法3
平らなところに横たわり、左手は胸、右手はみぞおちに軽くおく。 口を閉じ、鼻から息をゆっくりと吸い、おなかをふくらませるようにする。 口すぼめ呼吸の要領で息をゆっくり吐く。おなかは縮めるようにする。

 
 

楽な体の動かし方のポイント

  • 口すぼめ呼吸法と腹式呼吸法を組み合わせた呼吸をしましょう。
  • 動作は連続して行わずに、休みながら行いましょう。
  • 息をはく回数が、吸う回数より多くなるようにしましょう。
  • 動作中は息を止めないようにしましょう。

 

【歩くとき】
2回息を吸って4回吐くというリズムをつけることによって
楽に歩くことができます。口すぼめ呼吸法から行うといいでしょう。

 

【荷物を持ち上げるとき】
しゃがんだままものを拾ったり、持ち上げたりすると腰を痛めてしまいます。物を持ち上げるときは息を吸い、吐きながら動作を行いましょう。

 

【かがむとき】
口すぼめ呼吸法で吐きながら動作を行いましょう。

 

【着替えをするとき】
着替えをするときはできるだけかがまず、肺を圧迫しないように椅子に腰をかけて着替えをしましょう。

 

【食事のとき】
お腹がいっぱいになると胃が膨らみ息苦しさが増してしまいます。1回の食事量を少なく、食べる回数を増やしましょう。

 

【トイレのとき】
和式のトイレはかがんだり立ち上がったりする際に負担になるので、できるだけ洋式タイプにしましょう。排便時に無理に力むと、息切れなどの原因となるので、息を吐きながら動作をしましょう。

 
 

おすすめの運動

運動

おすすめする運動はウォーキングです。
ウォーキング中は口すぼめ呼吸法を意識して、ゆっくりと歩きましょう。
症状に合わせて、15~30分程行ってください。ウォーキングが終わったら、必ずうがいや手洗いを行い、汗をかいているときは呼吸を整えながら着替えを行います。休息を十分にとり、適度な水分補給を心がけてください。

 
●パルスオキシメーターで測定しながら行いましょう。
自己流の運動で過度に肺に負荷をかけないよう、パルスオキシメーターで血液の酸素飽和度を測定しながら行ないましょう。

    ●以下の場合は運動を控えましょう。

  • 食後1時間以内
  • 風邪気味のとき
  • 疲労感が強いとき
  • 安静にしているときでも脈が速く、強い動悸を感じるとき
  • 顔や手足にむくみがあるとき